☆☆ SFの部屋 ☆☆

STF


ムーンライン



煌めきボタン お薦めSF作品の紹介!! 煌めきボタン

Tsuki Tsuki        Tsuki Tsuki



煌めきボタン 日本現代SFの原点!! 煌めきボタン

TsukiTsuki     TsukiTsuki

☆☆ すべてのSFファンにお薦めの一冊 ☆☆

        『百億の昼と千億の夜』  光瀬 龍

                      (複数の出版社から刊行)


 日本のSFでは古典に属する作品でありながら、既に有人宇宙飛行が可能になった後の時代のものであるため、宇宙旅行に関する著述は現在でもまったく違和感を感じさせることはなく、30年以上前の作品であるが非常に読みやすい。

 プラトンと釈迦、阿修羅王が宇宙を滅亡するように運命付けた絶対者から守るべくサイボーグとなって人類滅亡後の西暦3905年まで生き延び、そこで絶対者の命を受けて行動する、やはりサイボーグとなったキリストと対決する。
 前半、プラトンの旅行や釈迦の修行への出立を記した部分は伝記か歴史書かと見紛うばかりであるが、中盤にかけて徐々にSFへと転じていき、後半は紛れも無いSFの世界が展開する流れが興味深い。
 また、保護カプセルに収められて精神的な安堵だけで満足している特権階級市民が登場するシーンでは、人間が真に満足するとは如何なる事なのかを考えさせる。
 サイボーグや時代の超越、現実的には世の中のすべてである宇宙を外から見ることの出来る超越者の存在など、現代SFの基礎的要素の多くが盛り込まれている。

 その後、現在に到るまでこれの影響を受けたと思われる作品をいくつも見出すことが出来ます。



煌めきボタン 純粋なSFではありませんが 煌めきボタン

TsukiTsuki     TsukiTsuki

☆☆ ファンタスティックSFファンにお薦めの一冊 ☆☆

        『異次元カフェテラス』  松尾 由美

                      (光風出版社 アルゴ文庫)


 ファンタスティックロマンにSF的要素をプラスした気軽に読める作品。

 舞台はごくありふれた地方都市と思われる街に在る、ちょっと変わった喫茶店『イージー』。店名自体が代替わりする前の名称『イージーライダー』の看板のうち、”ライダー”だけを塗りつぶしたという安易な命名。マスターも奇妙な人なら、集まるお客さんも奇妙な人ばかり。
 この街の高校へ通う了子と和明、エマの3人組は何故だかイージーが気に入り頻繁に足を運ぶようになる。
 ある日の営業時間中、お客さんに出すゆで卵を作っている最中に突然マスターが数時間行方不明になったりと、次第にイージーで起こる奇妙な出来事は度を増していく。
 エマが奇妙な中年外人女性に魅入られて一騒ぎ起きるが、最後に外人女性は3人の目の前で消滅してしまう。

 開業から約1年後、マスターは突如閉店することを常連さんに伝える。
 イージーが閉店した次の日、マスターは引越しの荷物整理を手伝いに来た了子に、自分はロック音楽の歴史書を書くための実地調査に未来からやってきた人間であることを告げる。
 店の周囲で起こった奇妙な出来事、店に奇妙なお客さんが惹き付けられたのは、異なる時代をつないだために発生した時空の歪みに由来したものだという。また、マスターの奇妙な行動は 時代により異なる主観的時間の違いによるものであったことも判明した。
 翌日、マスターは了子だけに見送られながら、自分の時代へと帰っていく。

 タイムマシンを登場させながらも前面に押し出さずにさり気ない小道具として用いているため、タイムマシンを使った場合に生じがちな白けた雰囲気は微塵も無く、逆に奇妙な現実っぽさを演出することに成功している作品です。



煌めきボタン 中国古典風SFロマン 煌めきボタン

TsukiTsuki     TsukiTsuki

☆☆ 浪漫派SFファンにお薦めの一冊 ☆☆

        『夢天幻想譚シリーズ』  冴木 忍

         第1巻 『蒼月、中天にありて』
         第2巻 『雪華、散りけむ』
         第3巻 『紅蓮、天地燃ゆ』
         第4巻 『迅雷、乱れそむ』
         第5巻 『光燿、常しなへ』

                       (角川スニーカー文庫)


 最初にメインの舞台となる輝炎国(きえんこく)の都は明らかに古代中国の洛陽か長安をベースとした設定である事が伺える。

 主人公のハルギは都の宮中に在る『星見台』から現れた迦陵頻伽(かりょうびんが)が琵琶とともに星見役のタオに託した赤ん坊であった。18年の年月が流れてハルギは輝炎国一の楽士とうたわれるようになっていた。
 ある日、星見台から無数の化生が飛び出し、父を人質にされたハルギは輝炎国の女帝に命じられて化生退治の旅に出かける。
 共に化生退治に向かったのは義兄のエンホァン、呪術師を装った迦陵頻伽のロウ、出発して間もなく道連れになった虎人のジン。ハルギとエンホァン以外は互いに物の見方が大きく異なり時に歪み合いながらの旅となる。 そんな中、突然現れた迦陵頻伽によってハルギは虚空へと運ばれ、シュヴァーナという少女と出会う。シュヴァーナは暗黒と死を司る超越者ナラカの手下、八鬼の一人である。彼女はハルギを、弦の無い琵琶、『飛華』を弾くことが出来る天華族の最後の生き残りだという。 天華族とは宇宙の創造者、全能の超越者であるオエセルが理想の人類として創り出したはずであったが、何故か呆気無く化生に滅ぼされてしまったのだ。シュヴァーナともう一人現れた八鬼の一人グリドラとの争いの最中、ハルギ達は再び異世界に飛ばされる。
 飛ばされたのは草原が広がる以外には何も無い世界。そこでハルギの双子の妹リーライと彼女に付き従う迦陵頻伽のファンインと出会う。ハルギ達を追ってきたシュヴァーナとグリドラが現れるとファンインはリーライをハルギ達に託し、自らの命と引き換えに輝炎国へと送り返す。
 ハルギ達が戻って間もなく輝炎国の都は後を追ってきたナラカの八鬼に滅ぼされる。
 真の飛華というものの姿を知ったハルギ達は様々な次元、時代を経てやがて二人の超越者、宇宙の創造者オエセルと暗黒と死を司るナラカが表裏一体の存在であること、悪の存在だと思っていたナラカがオエセル以上に現世界を愛していたことを知る。
 次代のオエセルとなったハルギ、ナラカとなったエンホァンの超越者コンビが創り出そうとする理想の宇宙とは・・・・・・。

 通常のSF作品とは違って表面上の科学的要素は皆無に等しいが、近年急速に進展した素粒子科学や量子力学に拠ると想像の世界から現実の世界へ変わるかも知れない多次元的宇宙論や宇宙の外側の存在などを取り入れた、ある意味極めて壮大なスケールの作品。



煌めきボタン 神林ワールドの傑作!! 煌めきボタン

TsukiTsuki     TsukiTsuki

☆☆ 哲学的思考のSFファンにお薦めの一冊 ☆☆


        『天国にそっくりな星』  神林 長平

                              (光文社文庫)


 中堅作家、神林長平氏の傑作SFファンタジー。
 地球に蔓延する火脹れ症。太陽の光に当たると紫外線により火傷状態となって水脹れになるところから、別名日陰症とも。火脹れ症の者は日中は光を完全に遮る防護服を身に付けなければ出歩くことは出来ず、自然と夜間活動するようになる。
 そんな火脹れ症の人間のために最適な移住場所を提供してくれた惑星ヴァルボス。空洞惑星で、惑星内部に住むため太陽の光を浴びなくて済むのだ。空洞惑星の中心部、通常の惑星なら中心核に当たる部分がヴァルボスの海で昼は青く輝き、 それでいて太陽のように紫外線は発しない。夜は暗くなる。火脹れ症の人間でも昼間、大手を振って出歩けるのだ。

 この物語の主人公は地球からヴァルボスに移住してきて私立探偵を営む北坂天界。地球では刑事をやっていたが、ヴァルボスでは以前からやってみたかった私立探偵を生業としたのだ。ヴァルボスに移住した者のほとんどは、地球時代に自分がなりたかった職業に就いている。 天界は最愛の玲美とともにヴァルボスにやってきたのだが、玲美はヴァルボス移住後も相変わらず夜の商売を続けている。
 ある日、天界探偵事務所にヴァルボス人の刑事、ジャンドゥーヤがやってきてヴァルボス人の反逆者、ザークを探し出すように依頼する。ザークは人間に変装して天界の住むミノリの町に在る新興宗教、アラマホシキヒトノヨの教団に潜伏してるのだという。 大原則としてヴァルボス人は人間に干渉することは出来ず、人間の居住地域内ではヴァルボスの警察でさえ直接介入は出来ないことになっている。
 直後、アラマホシキヒトノヨの教団の教祖、荒海大尽の娘、荒海真由子の乳母がやってきて家出した真由子の捜索を依頼する。
 真由子捜索のためミノリの町の隣にあるヴァルボスの都会、ファービルへと向かい真由子を見付けるが、ミノリの町の保安官に真由子誘拐の疑いで逮捕されてしまう。天界はミノリの町の保安官事務所で荒海大尽と対面して連れ立ってアラマホシキヒトノヨの教団へ向かうが大尽は、 「真由子は君に誘拐されるために家出をしたのだ。」 という。

 アラマホシ、とは古い言葉で、理想的、という意味だ。アラマホシキヒトノヨの教団の表向きの顔は、人間はヴァルボス人によって与えられた物は拒否し、人間が作った物のみを利用するという教義に則り、自給自足で健康的な生活を送る新興宗教として何の変哲もないものだ。
 ところが荒海大尽はヴァルボスでの人間の世界は仮のものであると考え、死ぬことによって真の姿を知ることが出来るのだという。
 地球からヴァルボスに来た者は冬眠容器に入れられて眠らされている。全員が共通の夢を見せられているので、ヴァルボスで普通に生活しているように思えるのだ。冬眠容器で夢を見ている人間はやがて死ぬが、ヴァルボス人は人間の死体を乗っ取るため、見返りも無しに移住を受け入れた。 真に人間として死ぬためにはヴァルボスで生活している自分を殺さなくてはならないのだという。
 ところが天界は、例えヴァルボス人に利用されていようとも、現在が楽しく過ごせるのであればそれで良いと心底考えており、冬眠カプセルの保管施設へと連れて行かれ、現実の姿を見せ付けられても一向に考えを変えるつもりは無く、荒海大尽と真っ向から対立する。
 荒海大尽にはザークが取り憑いていて、ヴァルボス当局から差し向けられた天界を自分の側に取り込もうと、荒海大尽の強力な意思の力を利用して、大尽の考える世界を作り出したのだ。

 結局、天界のノーテンキさが荒海大尽の意思に勝ってザークは敗退する。
 後にジャンドゥーヤが語ったヴァルボスの真の姿は、人間が住んでいる物質世界ではなく、ヴァルボスの星域に入ってくるものは意思を保ったまま状態が変わり、出て行くときには元の状態に戻るのだという。
 また、ヴァルボス人は元来一個にまとまった意思という形で存在しているが、ザークは人間に習ってヴァルボスを個に分裂させようとしていたのだという。天界はしかし、人間の移住を受け入れたときからヴァルボスは個への分裂を既に考えており、 ジャンドゥーヤもまた個に分裂した特異な存在なのではないかと思い聞いてみるが、ヴァルボスの一部に過ぎないジャンドゥーヤ自身にはそのことはわからないのであった。

 この作品はSFファンタジーというジャンルに分類でき、気軽に読める作品でもあるのだが、一方では人間が幸福に生きるとはどういうことなのか、人間が満足出来る生き方とはどういうことなのかを考えさせる、哲学的要素も含まれた作品です。
 本を単に読むだけでなく、読みながら、或いは読んだ後に作者が意識的・無意識的に真に伝えたい深みにまで考えを廻らせる事が好きな方には、特にお薦めの一冊です。



ムーンライン


           NEXTボタン【STF-10の部屋】
           NEXTボタン【CCC-10の部屋】

           NEXTボタン【WORLD DROME Diary 2002】
           NEXTボタン【WORLD DROME Diary 2003】

           NEXTボタン【ミステリーの部屋】
           NEXTボタン【ノンフィクションの部屋】

           Diaryボタン【Next Space Time Factory Diary】

           BLOGボタン【Next Space Time Factory Blog】:ココログ
           BLOGボタン【Next Space Time Factory Blog】:Amebaブログ
           BLOGボタン【Next Space Time Factory Blog】:Yahoo!ブログ

           facebook【facebook】
           Twitter【Twitter】

           NEXTボタン【About This Site】

           Linkボタン【link List】

           Topボタン【トップページへ】


HOMEボタン【ホームページへ】


ムーンライン


煌めきボタン お薦めサイトのLink 煌めきボタン


              のんバナー【のんのオルゴール♪】

オルゴールBGMを御提供いただいたのんさんのサイトです♪♪


              篆刻素材バナー【篆刻素材 葵】

素晴らしい素材を御提供いただいた葵さんのサイトです!!


              Lazyバナー【LazyColors】

幻想的な素材を御提供いただいた ぐうたら狼さんのサイトです!!


              さいばーえすバナー【さいばーえすくらふと】

画像回転フリーソフトを御提供いただいた☆ネズミさんのサイトです!!


ムーンライン


         Mailボタン SFの部屋 御意見箱

            このページに関する御意見・御感想はこちらまで!!

            御名前
            

            メールアドレス
            

            メッセージ
            
            

ムーンライン


Mailボタン【nstf@nifty.com】

サイト管理者への直通メールはこちらへ!!