WORLD DROME Diary 2002

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煌めきボタン 2002年ワールドドローム参戦記 煌めきボタン

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ワールドドローム参戦4年目のSTF-10


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今年のドロームがシェイクダウンになったCCC-10


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 ◎参戦準備  6月13日(木)迄

 今年で4回目となるワールドドローム参戦にあたって当面の目標は、1999年の参戦初年度に記録した自己ベストタイムを記録することと、私自身が出走することの2つです。


 自己ベスト記録が初年度に記録されているのには大きな理由が有りまして、当時のレギュレーションではモーターがJRM23ターンストックに規定されていたからです。
 ところが最高速度を抑えて誰にでも楽しめるレースにしようと当初のストックモーター無制限からみれば大幅なモーター規制を加えたにも関わらず、速度は低下するどころか益々上昇する一方という有様だったのです。そこで更なる速度抑制とイコールコンディションを図るべく、参戦3年目となる2001年大会からはドロームモーターなる27ターンシングルワインドストックに規制強化されました。
 日本では通常使われることの無いローパワーモーターによって当然のことながら最高速度は低下したかのように見えました。
 しかし2001年大会での速度低下はモーターパワーによるものよりも、適正ギヤ比に合わせられなかった事の方が大きく影響しているというのが大方の参加者の見方でした。
 45度というハイバンクコースでは加速するのは途中でミスをしなければスタート時だけ、後は唯ひたすらスロットルを全開にして最高速度を保つのみです。ターンでは極僅かにステアリングを切りますが、実質的には直線での最高速記録と同じ走りになります。
 そのために通常のサーキットやパーキングロット走行からは信じられないほどのハイギヤードが適正ギヤ比になるのです。23ターンモーターに規制された時に2.0を切ったギヤ比ですが、27ターンのドロームモーターでは1.5をも下回ってくるというまさに驚くべき状況になりました。

 昨年まで使用していたキンブロー製の88Tスパーギヤではこのギヤ比を得られるピニオンギヤが無いため、ABCホビーから発売されている76Tと80Tのスパーを入手しましたが、ここで大きな問題が発生してしまいました。
 76Tや80Tの小径スパーでは10分の1DD車で一般的に使われる大径デフリングを使うことが出来ないため、通常はトゥエルヴで使う小径デフリングしか使えないのです。
 まだこれがRC10L等のインチサイズデフを使っているのであれば簡単に加工することが出来ますが、タミヤF103のデフを使っているSTF-10ではどう加工しても物理的に使用不可能なのです。
 オリジナルのデフをつくれば話は別ですが、既にその時間は残されていません。
 そこで今年はデフ無しという、常識的には無謀とも云える状態で出走することにしました。
 が、そこは常識外のセッティングも敢えて試みることが常套のスペースタイムファクトリー、CSCのハイバンクコースではデフ無しでも何ら問題無く走ることが出来るのは参戦初年度に確認済みです。
 「実車のオーバルレースではデフ無しが当たり前なのに、何でラジコンカーではデフ無しだとダメなのか?」 ということで予選のあまり重要でないラウンドにデフを目一杯締め込んで、実質的にデフ無し状態で出走してみたのです。
 結果は体感出来る影響は無し、タイムも変わらず。
 次年度に私は、「だったらデフなど付けない方が軽量化出来る上に調整箇所も減って良いではないか。」 と提案しましたが、ドライバーである柏木君の熱烈なる要望でデフは残していました。
 だけど今年はデフ無しにせざるを得ないのですから仕方が無い。柏木君も何か言いたそうではありましたが、適正ギヤ比を得るためには止むなしと納得してくれました。

 ところがF103デフにギヤを取り付けられるよう加工をしてみて、またもや問題が・・・・・・。
 以外と回転精度が悪く、バックラシュが大きく変わる上に横方向へのブレも出ている。そのため普通は製品の中心穴から出来るだけずれないように細心の注意を払いながら行う拡張作業ですが、ブレを見ながらずらして調整して対処しました。
 組み上がったクルマを見ていると、「本当にこんなギヤ比でまともに走るのか?」 という疑問が湧いてきました。


 タイム向上のもう一つの手段はキャップドタイヤの採用です。
 STF-10は昨年まで手軽さからF1ゴムタイヤを使っていましたが、転がり抵抗の低減よりもグリップを優先させているF1ゴムタイヤでは大きな走行抵抗になっていることが火を見るよりも明らかだからです。
 しかしこの点でも大きな問題が存在しているのです。
 ワールドドロームなどオーバルレースで圧倒的な使用率を誇るメーカー製の完成キャップドタイヤですが、F103用は発売されていません。
 ということは自製しなくてはなりませんが、私は昨年大量の失敗作を造ってしまいましたので、柏木君にインディカーホイールとタイヤセッターを渡して製作を依頼することにしました。
 柏木君もキャップドタイヤの製作はほとんど経験無しということでしたが、当日までに3セット造り上げてくれました。
 ラバースポンジのインナーはほとんど変形せず、表面のゴムだけでグリップを稼ぐキャップドタイヤは見るからに転がり抵抗が少なそうです。


 一方の私自身のワールドドローム出走に向けてはSFC-10の完成を急いでいましたが、今ひとつ満足のいくクルマに仕上がらず時間切れが迫ってきました。

 それならばオリジナルカーに拘らず、「せめて出走だけは。」 と考えを変えてSFC-10の試作車ともいえるタミヤCカーのコンバージョンをハイバンクコースでの走行に耐えられるように改造して挑むことに決めました。
 とはいえCカーコンバージョンでノーマルのまま残っているのは既にシャシバスタブとリヤショックマウント、バッテリ押さえだけという有様です。
 この中でリヤショックマウントはスペースタイムファクトリーオリジナルDD車のトレンドでもある、V字型マウント・リヤショックユニットとするためにCFRP板で製作することにしました。当初はバッテリボックス部分の上だけ、 ノーマルのパイプフレーム状リヤショックマウントが付いていた部分に合わせたものにするつもりでしたが、全体を見渡すと最後にノーマルのまま残されるシャシバスタブにストレスが集中することが懸念されます。そこで、「ここまでは必要無いだろうけど。」 と思いながらも、 フロントセクションのみに付いているアッパーデッキを延長し、前端からシャシバスタブ後端まで通したアッパーデッキを製作することになりました。
 完成したシャシは、どう見てもアッパーデッキが主要な強度部材になっているので、これをメインシャシということにしておきました。

 Cカーコンバージョンのボディはスーパートラックの中でもっとも空力的に良さそうな、ホットボディズ製フォードF150を選びました。
 スーパートラッククラスではウィング・スポイラは ”直付けのリップスポイラのみ装着可” と規定されていますが、単にボディセット付属のリップスポイラの長さを調整して取り付けるだけでは能が有りません。
 過去の例を見ると、ワールドドロームでは垂直安定版やリヤディフィーザーなどクリアタイプの空力付加物については路面を傷付ける可能性の有るもの以外は認められていますので、一工夫することにしました。
 ストックカーで使っているキンブロー製のクリアウイングを切り継ぎしてボディ幅に合わせて、CFRP板を切り抜いたステーでボディ後端に面一で取り付けます。ダウンフォースはリヤパネルをカットしたことによって発生する負圧だけで充分ですからガーニーフラップはもとより、 フラップ版の立ち上がり部分も半分ほどの高さになるよう切り取ります。
 しかしこのクリアウイング改造のリップスポイラで重要なのはフラップ版ではなく、翼端版なのです。翼端版が垂直安定板として直進安定性の向上に大きく寄与するからです。
 ストックカーでは翼端版の上下を6ミリずつカットして使っていますが、この部分への導風が悪いスーパートラックですからそのまま使います。
 また、CFRP板製のステーを用いたことにより、兎角問題となるリヤパネルカットで大幅に低下したリヤ部分のボディ剛性を大幅に向上させることが出来、他のボディ補強は不要になりました。

 STF-10の方はスパーギヤの交換の他、TカーのESCをテキン製Mスター赤ラベルからメインカーと同じノヴァック製サイクロンTC2に積換える。
 ストックカーボディは昨年の物をそのまま使用。
 小クラッシュでリヤフェンダーのグッドイヤーステッカーが何文字か擦れで判読不明になっている以外は新品同様。
 クリアウィングはワールドドローム初出走のときから使い続けているものだが、これも雨中の2000年大会ではメインシャシが剥離する全損といえる大クラッシュを経ているのに細かい擦り傷以外は問題無し。


 STFとCカーコンバージョンの両車に必要な作業が、今年から使用を義務付けられたウレタンバンパーと、急遽使用が決まったAMB製マイトランスポンダーの装着。
 ウレタンバンパーは元々ボディ内側にピッタリのフルワイズバンパーを装着しているスペースタイムファクトリリーのクルマですから、バンパー形状に合わせてカットし、ボディマウントを通す穴を開けたタミヤ製ウレタンブロックを乗せて、ボディ形状に合わせて削るだけ。
 仕上げのサンディングがいちばん大変な作業だったでしょうか。
 マイトランポの装着は、今まで付いていたポリカ板のトランポホルダを外し、両面テープで貼り付けて配線を受信機の空きコネクタにつなぐだけ。こちらはトランポホルダを外した跡の両面テープをきれいに剥がすのが大変だった。


 さて、STF-10とCカーコンバージョンの整備、改造が進む一方でバッテリの調達にかかりましたが、昨年は迷う事無くSANYO RC3000を必要数揃えればよかったのですが、今年は少し前に発表された金パナの存在が気に掛かって仕方がありません。
 私はパナソニックのラジコンカー用バッテリに対してはあまり良いイメージを持っていなかったのですが、既発売のSANYOの最新作RC3000HV(以下HV)を凌ぐべく開発されたのですから悪かろうはずは無いであろうといったところです。

 ところが実際にバッテリを購入する段になると金パナはおろかHVすらも非常に品薄で、特にマッチドではないバラセルはほとんど見かけないという状況でした。
 Cカーコンバージョン用のパックバッテリはイーグル製ザップドHVを6本、カゴ売りの超特価で入手出来たのですが、肝心のSTF用バラセルがなかなか見付からないのです。出発前夜までに準備出来たのはトリニティ製金パナマッチド、KCM製HVマッチド、イーグル製HVザップドの3個のみ。 これに去年の残りのヨコモ製RC3000ピークマッチド2個の計5個。  せめてあと一つはマッチドの良いものが欲しいと思っていたところ、柏木君から電話でSCM製HVマチッドの上等なのが有ると連絡が入り即、Getしてもらう。
 現地でのバラセル組みはやりたくないが仕方が無い。コネクタケーブルだけは事前に作っておく。


 13日(木)は帰宅してから荷物をまとめるが、何時もながらの大荷物。
 だけど今年は大荷物も気にならず。
 昨年まではユーノスコスモの狭いトランクと後部座席にパズルのコマ合わせのごとく苦労して詰め込んでいたけど、今年はレンタカーでワゴン車を借りていくことになったからです。
 柏木君のクルマもRX7と、やはり大荷物を運ぶのには適さない上、二台で行くのは効率が悪いということで早い時期に決めていたことでした。

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 ◎出発  6月14日(金)

 会社から帰って早めの夕食をとり、風呂も早目に入ってしまう。荷物の最終確認をして仮眠。

 約束の11時を過ぎた頃、柏木君から到着したと電話が入る。
 マンション一階の駐車場へ降りて、柏木君と今年も同道する奥様の奈美さんに挨拶。奈美さんは高品質なRCカーパーツを製造しているサードパーティーメーカー、クロスの元社員でラジコンカーの操縦はひと通りマスターしているとの事。今年は見物ではなくIROCクラスにドライバーとして出走。 当初の予定ではスペースタイムファクトリーオリジナルのワンベルト4WDツーリングカー、SFT-10で出走することになっていたが当のクルマが問題続出で今年のワールドドロームデビューは早々に断念。 柏木君手持ちのヨコモ製MR4TCをワールドドローム仕様にセッティングして出走することになりました。来年こそはSFT-10を完成させますので何卒御勘弁を。

 まずは柏木君達が乗ってきたマツダのフェスティバでレンタカー屋へ行ってクルマの受領と柏木君達の荷物を積み換える。今回借りることになったのは日産のプレサージュ。ニッポンレンタカーではクラス毎の設定になっていて、当日営業所に配車されてくるまでホンダのオデッセイとどちらになるか不明であった。 家業が日産の下請けをしているのにもかかわらず恥ずかしながら日産にプレサージュというクルマがあることを知りませんでした。もっとも兄弟車種のバサラの方は前の職場で同僚が乗っていたので知っていましたけど。
 今までレンタカーというと、実用性一点張りの低グレード車というイメージしか持っていませんでしたが今回借りたプレサージュを見ると、ラインナップ中のどの程度のグレードにあたるのかは知りませんが内装もそこそこ豪華だし、ナビゲーションとETCまで装備されてるではありませんか。 もっともナビとETCはしっかりと別料金で計算されていましたけど。
 荷物を積み換えてから一度自宅へ戻って、今度は私の荷物を積み込みましたがさすがにワゴン車、今回は使わない三列目シートを跳ね上げれば大荷物も楽々収納。
 日付が変わって1時少し前に修善寺へ向けて出発。

 ルートはいつもどおり首都高速へ小松川ランプから上がり、渋滞情報も出てないので江戸橋からは神田橋、霞ヶ関と距離の短い北回りコースをとる。3号線は池尻辺りまで数珠繋ぎであったが流れは制限速度以上で文句は無い。 東名高速に入ってからも順調な流れであったが、雨がパラ付きだして大井松田ICを過ぎる頃には豪雨状態に。御殿場越え区間特有の地域的な豪雨のようだけど、今の時季には珍しい。
 東名高速を西へ向かう時はいつも利用する足柄SAは大雨でずぶ濡れになること必死であろうからパス。二つ先の愛鷹PAに期待するが雨脚は弱まらずにこれもパス。
 国道414号線は沼津駅東側で東海道線をアンダーパスする部分の長期工事もようやく終わり、時刻も時刻なのであっという間に沼津市街を通り抜け、伊豆長岡町でバイパスに入って田京で宇佐美大仁道路へ右折。すぐのセブンイレブン大仁田京店で朝食の仕入れと休憩。 弁当にしろパンにしろ、やはりコンビニの中ではセブンイレブンが抜きん出てるいるように思えるのだが如何なものだろうか?

 4時過ぎにCSC到着、ゲート前に並んだ車列の後ろに着けて仮眠。

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 ◎大会一日目 予選  6月15日(土)

 5時50分、並んでいたクルマが動き出す。
 ゲートが開き、チェックを受けて荷物の積み降ろし場へ向かう。急坂を登ってサイテル横を通って250メートルピストへの下り口にある荷物の積み降ろし場は毎度の渋滞で30分以上待たされる。しかし何時ものこと、のんびりと順番を待つ。
 さて、荷物を降ろしたあとクルマは更に奥の駐車場に停めるだけですが、大荷物は折りたたみ式キャリーカートに載せて急坂を下ってピスト脇のピットスペースへ運ばなくてはならず、これがワールドドローム参加時最大の大仕事なのです。 私がここで専ら折りたたみ式キャリーカートを使うのは、下り坂ではキャスターカートだと下から支えながら後向きに下りなければならず、非常に使い辛いためです。これがキャリーカートであれば50キロ以上の荷物を載せても片手で楽々運べるのです。 その辺りの事情がわかってきたのか、今年は折りたたみ式キャリーカートを使っている参加者が非常に増えているのが目立ちました。

 陣取ったピットスペースはバックストレートの終わり、4ターンにかかる少し手前。例年とほぼ同じ場所で、周囲の顔ぶれもほぼ同じ。ワールドドロームでは早い参加者は金曜日の昼過ぎに会場へ到着、ゲート前にクルマを並べるのですが各参加者は例年同じぐらいの時間に到着するため、 ホームストレート側から順次埋まっていくピットスペースも同じような場所になるという寸法です。
 荷物をピットスペースに運び終える間も無く参加受付が始まる。
 3人分の参加受理書提出と参加費支払いを奈美さんに頼み、私と柏木君は次に行われる車検のため3台の出走車を整備し、バッテリを充電。車検ではマイトランポの発信とコード確認のため、バッテリを搭載して走行可能状態にしていかなくてはならないのです。 通常の充電には充分な時間が無いため、8アンペアで無理矢理超急速充電。それでも時間に追われて途中からはターボ35BLの最大充電電流、12アンペアに上げる。ところが最新のニッケル水素バッテリ、SANYO RC3000HVは何事も無かったかのように平然と充電完了、 バッテリ温度さえも50度を超えるか超えないかというあたり。
 今やニッケル水素バッテリだからといって充電に神経質になる時代は終わったのかも知れません。もちろん最適な放電特性を得るために充電方法を工夫する必要が有る事は云うまでも有りませんが、 HVに関しては△pの出方や充電時の温度上昇に関してはRC2000以前のニッカドと同等に取り扱うことが出来ると見て取りました。RC2400と比べると、むしろ扱い易いと言っても過言ではないでしょう。
 車検ではSTFとCカーコンバージョンはフロントのグランドクリアランスが規定の5ミリに満たなかったので調整するよう指摘されるが、これは展示用に使っているシミズ金型製のF1ゴムタイヤのまま持って行ったためで、走行時は2ミリ大径で車重で変形しないキャップドタイヤを使うということでOK。
 何か言われるのではないかと思っていたスーパートラックのリップスポイラは気にも留められずにパス。
 車検係を務めていたRCワールドのヤマ編(山崎顧問)はCカーコンバージョンを見て、「Cカーか。いいねえ、こういうの。」 と呟いていました。

 開会式、ブリーフィング、記念撮影も順調に終わっていよいよ公式練習開始。
 柏木君はいちばんはじめのストックカークラスに出走するので休む間も無く操縦エリアへ。公式練習はキャップドタイヤと最新バッテリの様子を見るため昨年のベストラップ記録時と同じギヤ比、ピニオン54T、スパー88Tで出走。
 公式練習ではラップタイムが発表されないものの操縦しての感想は、「転がりは確実に良くなり、ギヤ比を上げる余裕も充分残されているだろう。」 とのこと。

 次は私の出走するスーパートラッククラスの番。
 準備は万端、22年ぶりのレース出走に緊張しつつ操縦エリアへ行き、プロポとクルマのスイッチをONにしてコースマーシャルにクルマを渡そうとしたところ、スロットルの設定が逆になっていてスロットルレバーを押してモーターが回るようになってる。
 急ぎプロポの設定を変えようとするが、こういうときに限ってなかなか当該設定画面を出すことが出来ず、辛うじて設定を直した時にはトリム調整をする時間も無く、スターティンググリッドに置かれると同時にスタート。
 事前に定盤上でアライメント調整は済ませてあるものの、実走は室内で停止から発進出来ることを確認しただけ。果たして真直ぐに走るのかどうかもわからず、他の出走車が1ターンに入るのを待ってスタート。幸いにしてステアリングニュートラルで完璧な直進、バンク内での操縦性も悪くない。
 加えてスタート前にゴタゴタしたせいか緊張感も何処へやら、スポッターを務める柏木君と話しながら操縦する余裕も生まれる。
 ワールドドローム初出走の感想は、「他のクルマに気を付けてさえいれば、ハイバンクの走行は意外に簡単。」 といったところでした。
 プロポのスロットル設定が逆になっていたのは、STFの調整に使った際にモデル変更をしたまま戻してなかったからでした。

 タミヤ製F103L(インディカーシャシ)のワンメークレース、インディカークラスをはさんで奈美さんが出走するIROCクラスに。  スポッターは柏木君が務め、私はSTFとCカーコンバージョンの整備とギヤ交換をしながら観戦するが、さすがに自ら進んで出走するだけあって奈美さんの操縦は大したもの。
 レース運営を担当しているフォルムの斉藤社長はクロス時代の奈美さんの上司ということもあり、MCのボンバー山本は場内実況放送で奈美さんのニックネームを連呼。本人にとっては苦笑ものだが、周囲の笑いを誘って緊張緩和には最適。

 予選1回目でSTFはピニオン54T、スパー76Tと大幅にギヤ比を上げるがまだ限界には達していない模様。
 Cカーコンバージョンも公式練習時のピニオン45T、スパー76Tからピニオン48Tに変更して様子を見ることに。あと、公式練習走行後にマイトランポからの信号を何回か受け損なっているので取付位置を変えるよう指摘されていたので、バスタブ前のアッパーデッキ上中央からバスタブ右側中央へと貼り換える。平面上ではSTFと同じ位置なのでこれで問題が発生するはずは無いのだが、果たしてどうなるか。
 MR4TCは当初から既に限界と思はれるギヤ比に設定してあるので、特別な設定変更は無し。
 と、ここで3台ともモーターの軸受けメタルに注油していないという、とんでもないポカミスに気付いて慌てて注油。スペースタイムファクトリーで使っているのはパーマ製のTQブッシングオイル。ストックモーターのメタル用オイルは各社で相当に粘度の異なるものを発売しているが、TQブッシングオイルは平均よりも少し軟らかめでオーバル用にはバランスが良いようです。 モーターメタルへの注油に加え、公式練習では使用しなかったコミュドロップを3台とも注す。コミュドロップは効果が確認されて、使用後の汚れ以外の害が無いマックステック製パワードロップスを使用。「コミュドロップなど中身は灯油だ」、という話をよく聞きますがパワードロップスは粘度と匂いからスピンドル油であることは間違い無しか??
 このラウンドは3台とも可も無く、不可も無く走り終える。Cカーコンバージョンのマイトランポも今度は問題無し。

 インセインスピードランと昼休みの後、予選2回目。
 STFはピニオンを55Tと更に上げてみる。バッテリは旧RC3000を使用。従来のベストラップに迫るタイムを出す。2分間の走行では旧RC3000とHVの違いはほとんど感じ取れないとのこと。
 Cカーコンバージョンはこのラウンド出走休止。
 MR4TCはAORcメンバーの北島一郎さん、通称さぶたこさんがスピードウェイ パルに依頼して製作したピニオンギヤホルダを使用してギヤ比を変更、大幅なタイムアップを果たして明日の予選組替えでは一つ上のグループへ上がれる可能性大に。

 一日目最後の予選3回目、STFはKCM製HVマッチドを使って一発を狙う。
 目論見どおり念願の自己ベスト更新と、更には10秒台前半突入を果たして取り敢えずは目標達成!!
 Cカーコンバージョンは順調に走り出すも後半で唐突にスピンを繰り返すようになり、まともに一周することが出来なくなる。
 スポッターの柏木君は、「電波障害ではないか。」 と言うが、何か違うような気がする。帰ってきたクルマを見た瞬間に原因判明。F103のパーツを流用したモーターポッドフロントピースのショック取付部分が割損して、Tバーだけで支えている状態になっている。これではグリップしないのが当たり前だ。 F103から見れば大幅に車重が増加し、更にはハイバンク走行時の強大な縦Gに対応し、リヤスプリングはサーパント製GPレーシング用のきわめて硬いものを使用しているため、想定外の大入力に耐えられなかったのです。
 まさかこのような部分が壊れるとは考えず予備部品を持ってこなかったので、Tカーの部品を外して修理するものの再発が予測されます。
 MR4TCは更にタイムアップして、明日の予選は一つ上の組に組み替えられることが決定。

 ピクニックテーブルや椅子を残して荷物を引き上げますが(本当に急坂を引き上げなくてはならない!!)、3人とも当面の目標を達成した満足感から重労働の荷物運びもはさほど応えはしない。
 CSCを後にしてワールドドローム参戦時の定宿となっている伊豆高原のプチホテル ラ・トゥールへ急ぐ。昨年も一昨年も亀石峠から伊豆スカイラインを終点の天城高原まで南下して、大室山の横を通って伊豆高原へ降りていましたが、亀石峠から宇佐美へ降りて国道135号線を南下した方が半分少々の距離であることがわかり今回はルート変更。 伊豆高原駅入口の手前で多少渋滞していたものの、伊豆スカイライン経由よりも30分以上早い約1時間で到着。本日の宿泊客は私達3人だけ、貸切状態ということでゆっくり出来そう。
 規定では6時半から夕食になっていますが到着したのが7時10分、到着後荷物を部屋に置いてすぐにダイニングルームへ。なんと今回は豪勢にも特大伊勢海老の活造りが1人に1尾付き。
 まずは当面の目標達成を祝してラ・トゥール オリジナルワインで乾杯!!
 食事の味も量も文句無く、満腹になって部屋へ引き上げて入浴後は早々に就寝・・・・・・。のつもりがル・マン24時間レースの中継を見はじめて、寝たのは12時半頃。ワールドドロームがル・マン24時間と同じ日に開催されるのは、陽がいちばん長い土日だからでしょうか?

 スペースタイムファクトリーが宿泊所としてラ・トゥールを選んだのは、一昨年に大会会場のSCSから近くて、”一泊夕食付き、朝5時半出発” という条件で受けてもらえるところを観光ガイドブックの宿泊案内を見て片っ端からネットと電話で問い合わせたものの、特に朝5時半の出発と云う事を嫌われて断られ続け、数十件目にしてようやく受けて頂けたのが縁でした。
 ペンションに有り勝ちな派手さや騒がしさが微塵も無く、落ち着いて寛げる宿なので以後迷う事無く利用しているのです。値段も初年度に利用したビジネスホテル プラス ファミレスと比べて大差無いのも大きな魅力です。

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 ◎大会二日目 決勝  6月16日(日)

 朝4時半起床、シャワーを浴びて荷物をまとめる。
 5時20分にロビーへ出て支払いを済ませ、予定通り5時半出発。
 伊東市街に入る手前でミニストップに寄って朝食を仕入れる。昨日来た時と同じルートをCSCまで戻る。
 ゲートではワールドドロームのエントラントであることだけを確認しているが、ほとんど顔パス。昨日同様、荷物の積み降ろし場で10分ほど待たされるが、ピットスペースの場所取りが無いだけ気楽だ。

 ピットスペースで準備を始めると、7時から予選4回目が始まるとのアナウンス。
 最初に走行するSTFの出走時刻は7時10分頃、現在時刻は既に6時40分をまわっているが、これからバッテリの充電をはじめるというところ。とにかく出走直前まで充電を続ければ2分間を走ることは出来るが記録を狙うことは無理なのは明らかだから、このラウンドはとにかく出走をして腕慣らしと割り切ることにした。 バッテリは最早この一回だけ使えればそれでいいと、イーグル製HVザップドを最初から12アンペアという超無謀充電。
 それでも5.5アンペア充電時と変わらないだけきちんと入って、温度上昇もさほどではないのには脱帽。△p値だけは恐ろしいほど上がっており結果的には、「昨日よりもずっとパワーが有った。」 ということに。
 バッテリを充電している間にSTFのモーターを新品に交換したが、こちらの効果は明確にわからず。
 Cカーコンバージョンは1ターンの入り口で急激にリヤが流れるという現象が発生するが、原因はまったく不明であった。モーターポッド側のリヤショック取り付け部分はまだ大丈夫。
 MR4TCは最高速度が伸びず。原因はバッテリの性能にあることが推測され、奈美さんはタミヤ製 旧RC3000とタミヤコネクタの使用に不満を漏らしている。

 予選5回目、STFは秘蔵のトリニティ製金パナマッチドを使ってみる。
 結果は上々で、僅かではあるもののベストタイムを更新、これが予選タイムとなった。
 Cカーコンバージョンは相も変わらず1ターン入り口でおかしな挙動を示しており、今回スポッターに付いてくれた奈美さんも不思議がっている。後半にかかるとおかしな挙動は急激に増徴し、平坦部分の直線スロー走行でもいきなりスピンをはじめる有様で、リヤショック取り付け部分が割損したことが窺い知れる。 戻ってきたクルマを見ると、今回は左右両側とも取り付け部分が割れている。最早手持ちの予備部品は無く、現地出店のショップにもF103のパーツを持ってきているところは無く、決勝への出走は断念するしかないと一度は諦める。
 それでもピットに戻ると、「なんとか修理する方法は無いものか。」 と片っ端からパーツケースを漁っていたところ、モーターポッドフロントピース本体から大きく出っ張っているリヤショック取り付け部分を切り取って、アルミスペーサを噛ませてショックエンドボールを取り付ければ修復出来るのみならず、強度的にも大幅に向上すると閃く。 割れ残ったリヤショック取り付け部分をプラスチックニッパーで大雑把に切り落とし、ヤスリで平らに仕上げる。ネジ穴を掘り下げて加工完了。あとは現物合わせで何種類か在るスペーサーの中から最適な厚みになる組み合わせを選び、ネジ止めして完成。済んでみれば15分も掛からない簡単な作業だった。
 これで決勝に出走できると一安心。
 MR4TCも相変わらず最高速度が伸びないに留まらず、ラップタイムはむしろ低下している。

 予選6回目、泣いても笑ってもこれが最後の予選ラウンド。
 STFはピニオンを最大の58Tに上げ、SCM製HVマッチドを使って一か八かの賭けに出るが、ギヤ比が高過ぎて加速は悪く速度も伸びず。
 Cカーコンバージョンはまだ挙動におかしなところが有るが、決勝で何とか走行出来る状態だと判断して、不必要な消耗と破損を避けるために走行を中止する。
 MR4TCは決勝へ向けて最終的なセッティングと、ドライバーの完熟に努める。

 決勝への出走に備えた点検整備を始めたところ、STFの右側キングピンが曲がりポジティブキャンバ状態になっていることが確認され、これはAssy交換で即修復。
 MR4TCはモーターを新品に交換。
 Cカーコンバージョンはリヤのスプリングが軟らかいのではないかと思えたので、一段硬いものに交換。

 すべての予選が終わってインセインスピードランが始まって間も無く、大粒の雨が落ちはじめて見る々々豪雨に。
 水に濡れては困るものをパラソルの下やテーブルの下に移動する。柏木君は充電中の充電器や安定化電源を大慌てでテーブルの下に置いたものの、跳ねっ返りで水をかぶりパラソルの下に再移動。私の方も充電中でしたが、シャインテクニカ製PS220安定化電源は2000年大会の時、 雨曝しで中まで完全に浸水した状態でも正常に作動していたのでほとんど気にせず、雨中での使用経験が無いターボ35BLだけは出来るだけ水飛沫の掛からないところへ置く。
 会場中が大騒ぎした豪雨も十数分で止み、後始末に大忙し。
 昼休みの後に中断していたインセインスピードランが再開される頃には傾斜の付いたピストは走行路だけでなく、インフィールドの平坦部分もほとんどが乾き上がっていた。
 再開されたインセインでは京商の石川 博義選手が136.986キロを記録して、HPIの樋口 一司選手が持っていた日本記録を更新する。

 小休止の後、いよいよ決勝がスタート。

 昨年までの指定席であった最下位メインから脱したSTF-10は、他のクルマとバトルをするだけの速度を得られ、下から2番目のDメイン3位でフィニッシュ。
 4WDツーリングカーよりも重いSTFではここら辺が物理的な限界なのかも知れないと納得。

 Cカーコンバージョンは予想通りの最下位メイン、Dメイン。上位から各メイン10台ずつ割り振られた関係でDメインは4台でのちょっと寂しい出走になりました。
 4分間走り切ってフィニッシュラインを越えることだけを目標にしていましたから、スタート後の1ターンではたとえ4台での出走とは云え複数のクルマが絡む多重クラッシュの発生が予想されるため、他の3台が1ターンに入るのを見届けてからフルスロットルを与えようとセコイ事を考える。
 スタートの合図が鳴ってもすぐにはスタートせず、前列の2台が走り始めたのを確認してからおもむろにスロットルを操作する。予想していた1ターンでのスタート直後クラッシュは起きませんでしたので、安心してフルスロットルでバックストレートを加速していったところ、4ターンで2台がスピンしているので大きく回避してパス。 1台は早くもリタイヤ、残り3台になる。我がCカーコンバージョンは順調にメインストレートを走っていったと思ったら、またしても1ターンの入りでリヤのグリップが抜けて、不安定な状態のまま1ターンから2ターンをまわってバックストレートに出たところでアウト側フェンスにクラッシュ。転がり落ちてくるがコース下段で留まり走行を続ける。
 ところがクラッシュの後は今までに無いほど挙動が不安定になり、そのうえ何故か加速も最高速度も大幅に悪化したにも関わらず、ところ構わずスピンしまくる始末。惰性で走り続けるものの、他車の迷惑になっても好ましくないのでいい加減リタイヤしようかと思ったところ、何時の間にか他のクルマはすべてリタイヤ。 曲がりなりにも走行しているのはCカーコンバージョン唯1台。
 これならば不安定なまま走行を続けたところで迷惑をかける相手も居ないと、クルマをコース上に留める事だけに集中する。にもかかわらず、不安定さは増徴する一方。時々インフィールドを暴走しながらも4分間終了の合図が鳴った後、やっとのことでフィニッシュラインを通過。
 完走だけは果たし、間に合わせで急遽つくったクルマで参戦初年度ならばこんなところが妥当だと納得。
 フィニッシュラインを通過後すぐにUターンしてインフィールドに停めたCカーコンバージョンを回収したコースマーシャルは怪訝な顔でクルマをながめている。が、それもそのはず、手渡されたクルマを見れば右側前輪はフェンスへクラッシュした時にキングピンが曲がり、45度ぐらい上を向いているではないですか。 内側のショルダー部分がシャシ下面から1ミリほど出ている状態だったので、普通に走行している限りはなんとかシャシを擦らずに済んだのは不幸中の幸いだったと云えるでしょう。
 ピットに戻り、曲がったキングピンを交換しておこうとナックルまわりをAssyで外して更にビックリ。キングピンを手で持った状態ではナックルを回すことが出来ないのです。これでステアリング操作に反応していたのですから、JR製DS8455デジタルサーボのトルクは恐るべきものですね。
 キングピンの他にも右側のバンパー取付ネジがせん断し、バンパーに押されてフロントのトレーリングビーム取付ネジも曲がっていました。リヤ側では後側のTバーマウントネジが曲がり、リヤステア状態になっているのが一目瞭然。

 MR4TCは残念ながら最下位メインであるCメインに下がってしまう。
 決勝でも速度は伸びず、大きなクラッシュは無いが徐々に抜かれて次第に順位を下げていくのは観ていてもどかしい。3分が経過した頃にバックストレートで他車と絡むクラッシュの後は大幅に速度が落ちてしまう。それでもなんとか4分間を走り切ってフィニッシュライン通過、完走を果たす。

 Aメイン各クラスの決勝が終わる頃には荷物をまとめ終わったので早々に帰ろうと思ったが、各メインのトップフィニッシャーには記念のプレートを授与されるということで荷物を車に積み込んだ後、表彰式に出る。
 最後に行われた抽選会で、柏木君がTRC製リンクス2 オーバル仕様の1993年型モデルをGet!! おそらくは日本で最も売れなかったプロテンカー、しかもオーバル仕様ときているのだから、何処ぞの店でデッドストックになっていたものであることは間違いないが、このような賞品が当たるのは喜ばしいものだ。


 CSCを後にしてラジオで交通情報を聞いたところ、東名高速は厚木ICから横浜町田ICの間が詰まって動かず、箱根周辺も結構な混みよう。
 それならばと亀石峠を越えて宇佐美まで降り、135号線を通ることにする。熱海までは順調に進むが、熱海ビーチラインが渋滞しているとのことで旧道を行くが、ビーチラインとの合流点で詰まってる。真鶴道路は新道を通り、小田原の手前までは比較的順調に進む。石橋ICで西湘バイパスに入り損ねたので、次の早川ICで入る。 西湘バイパスの出口から相模川を渡るまで渋滞しているのは何時ものこと。今日は多少流れが良い方だろう。相模川を渡ってすぐに右折して寒川町から県道丸子茅ヶ崎線、中原街道へ入る。
 川崎市に入る辺りで国道246号線に抜け、新二子橋を渡りながら懐かしい東京工科専門学校世田谷校をながめる。私は退職してまだ1年少々だけど、柏木君は卒業してからもう7年になる。
 首都高速の道路状況案内板には渋滞表示が出ていなかったので、池尻ランプから上がる。江戸橋では銀座方面からの方が流れが良さそうなので南回りコースを取る。夜間工事が始まるところで銀座から江戸橋間で車線規制をしているところが有ったが、順調に流れて小松川ランプを降りたのは21時30分。

 江戸川区役所前のJOMOステーションが開いていたので給油し、自宅で素早く荷物を降ろしてプレサージュを返却。48時間目一杯、効率良く借りることが出来たと満足。今回の走行距離は402キロ、使ったガソリンはレギュラー53.3リットル。リッターあたり約7.5キロという高燃費。
 自宅近くのデニーズ北小岩店で遅い夕食をとりながら、今年の反省と早くも来年に向けての計画を話し合う。
 23時20分に解散、丸2日間に渡る今年のワールドドローム参戦が終了。

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 ◎後片付け  6月17日(月)以後

 毎年のことですが、ワールドドロームから帰って一週間は後片付けに追われる事になります。
 特に今年は極短時間とはいえ雨に降られましたから、翌日真っ先にやらなくてはならないのが少しでも濡れた物の洗浄。伊豆半島辺りの雨は現在ちょっと厄介なのです。というのは三宅島の火山が大量の二硫化硫黄を大気中に放出しているため、風向きによってはこれが流れてきて雨に混じり、結構な酸性雨となって金属を腐食させるからです。 実際に大雨に祟られた2000年大会ではクラッシュによって壊れた部品代よりも、翌日には錆を噴いていたベアリングなど雨水によって痛んだ部品代の方がはるかに高いという状態だったのです。
 今回は十数分ほどの降りだったのでクルマやプロポは大丈夫でしたが、いちばん目立つのが跳ね返った泥による道具箱や部品箱の汚れ。これは外側だけだからと、ピットボックスを中身も出さずに洗剤で洗ったのが大失敗。雨のように上から水をかぶった場合はほとんど浸水しないのですが、シャワーで横から水を掛けたら引き出しの中まで水浸し。 最初に洗ったのが充電器と電源を入れた箱だったので、結局は充電器と電源も丸洗いする破目になってしまった。横着をすると却って手間が掛かることになるものだと反省。

 2日かかって道具類の片付けが終わった後はクルマの整備。
 来年はどのような体制で参加するのかわかりませんが、今年と同じ状態であれば即出走できるように整備・修復しておくというのがスペースタイムファクトリーでは原則なっています。
 STFもCカーコンバージョンも大きな破損箇所は少なかったので前述のように決勝が終わって片付ける際に修復しておきましたが、よく見ると他にもいくつか細かい破損が見付かりました。
 STFは右側リヤボディマウントのネジ穴が馬鹿になり、抜けかけている。新品交換しようと外すが、ネジ穴を少し深く掘り下げて5ミリ長いネジを使って取り付け直す。
 Cカーコンバージョンはモーターポッドフロントピースのショック取付部分は、現地で応急修理してあるのをきれいに削り直す。ノーマル状態よりも格段に強度が向上することが確認されているので、部品取りをしたTカーの方も同じに修復する。
 モーターは新品に交換するので取外してシャシの掃除をするが、これがまた大仕事。CSCの250メートルピストは特殊なカラー舗装が施されているのだが、これが非常に細かい粉末状になって剥離していくらしく、2日間を走り終えたシャシの至る所にこの粉末がこびり付いている。更にそこへモーターやベアリングから飛び散ったオイルが混ざるのだからたまったものではない。 まずはプラスチックを痛めないAベンジンで油分を拭き取り、その後で丹念に水拭きをします。Aベンジン等の溶剤で拭き取るだけでは水溶性の汚れはほとんど落ちないために水拭きも必要になってくるのです。
 最後にボディを洗剤で洗っている時、スーパートラックのリップスポイラが割れているのに気付く。割れはフラップ板の中程だけで縁まで達していないので、元々傷でも有ったところにクラッシュの衝撃が加わって割れたのでしょう。リップスポイラ自体は予備の部品と交換するだけですが、貼ってあるステッカーをどうしようかと考える。 リップスポイラに貼ってあるのは1台分のステッカーセットの一部ですから、新たに貼るにはセットから必要なものだけを抜かねばならない。そこで貼ってあったステッカーを丁寧に剥がして、粘着剤をAベンジンで拭き取る。このままだとかなり伸びて歪んだ状態になっていますから、ドライヤで温めて元通りに縮める。 これをクリアタイプの両面テープで貼り付ければ、再利用したこともわからずに仕上がります。

 4日間かかってすべての後片付けを終えましたが、21日(金)にスペースタイムファクトリーのセミワークスドライバー(?)がCカーコンバージョンを持ち出して、何処ぞのサーキットへ試験走行に出掛けてきましたが、ここで大きな製作上のミスが発覚。
 特定のコーナーで急激にグリップが抜けるという現象が発生するのでクルマを持って調べていると、”ガタガタ” と相当な重さのある物が動いている。重さからすぐにバッテリだとわかり確認するとバッテリボックスの中で上下と左右にそれぞれ3ミリほど暴れている。 これではバッテリが浮いた時に瞬間的なグリップ抜けが起きてもおかしくはないと思い、隙間にウェスを詰めて走らせたところグリップ抜けは無くなったとの事。
 実はバッテリが動くのは当初からわかっていたのですが、「まあいいや。これぐらい大丈夫。」 と気にも留めなかったのです。
 ノーマルのCカーではバッテリボックス部分の上に付くパイプフレーム上のリヤショックマウントの下側に、3ミリほどの出っ張りが2ヶ所あってバッテリが上下に動かないように押さえています。CFRP板のアッパーデッキでは当然のことながら出っ張りはありませんので、上下方向に動くようになったのです。
 またRC2400以後、バッテリの長さが少しずつ増え、殊にパックバッテリでは全長の増加として顕著に現れているため、バッテリホルダを取り付ける位置を変えて横方向に余裕を持たせました。
 この件に関してはバッテリボックス部分の上側と突当りにスポンジテープを貼れば簡単に解決することだったのです。僅かな手間を惜しんだために年1回のレースでまともな走りが出来なかったかと思うと多少悔やまれます。


 最後に、来年のワールドドロームまでにはSFC-10とSFT-10を完成させて、是非とも3クラスにオリジナルカーで出走できるように開発を進めていきたいと改めて決心し、これにて2002年ワールドドロームへの参戦活動に一区切りを付けたいと思います。


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